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女子アナに負けないMCになった島崎和歌子の密かな努力とは?

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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島崎和歌子(c)朝日新聞社

島崎和歌子(c)朝日新聞社

 芸能人とは概してマイペースで、身勝手で、他人の言うことを聞かないものだという。クイズの解答用のタッチパネルは水に弱いので、解答席に飲み物を持ち込むことは固く禁じられているのだが、それでも大御所俳優などが平気で飲み物を持ってきたりする。生放送なので予定通り進まないことも多い。機材のトラブルも頻繁にある。そんな中で、島崎は持ち前の度胸で見事に司会をやり遂げた。見た目が良く、声が聴き取りやすく、キャラクターは明るくて豪快。島崎は女性司会者に必要な条件を高いレベルで満たす逸材だった。

 島崎がデビューした時期は「アイドル冬の時代」と言われていた。松田聖子や中森明菜などが圧倒的な人気を博し、おニャン子クラブがそれとは対極の素人っぽさを売りにしてブームを作っていた時代が終わり、歌番組も次々に終了して、正統派のアイドルが活躍できる場所がどんどん少なくなっていた。

 そんな時代に新たな存在として脚光を浴びたのが「バラドル」だった。「バラエティ番組に出て、面白おかしいことをやってみせるアイドル」というのが新たに台頭してきたのだ。森口博子、井森美幸、山瀬まみ、松本明子などがその代表格である。少し遅れてデビューした島崎もこの流れに続いた。そして、島崎は単にバラエティ番組に出るだけではなく、努力の末に「司会ができる」という能力も身につけて、唯一無二の存在となったのだ。

 彼女はそんな自分の性格を「適当、大ざっぱ、せっかち、飽きっぽい」と評している。適当だからこそ、細かいことは気にしないで新しい仕事に取り組める。また、飽きっぽい性格だからこそ、毎日現場にいる人が変わり、企画の内容も変わるバラエティ番組の仕事が向いているのだろう。

 島崎がデビューしたのはちょうど平成元年。平成が終わりを迎えようとしている今も彼女がバラエティの最前線で活躍しているのは驚異的なことだ。島崎の芸能人生は、平成バラエティの歴史そのものでもあるのだ。(ラリー遠田)


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ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・ライター、お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)、『なぜ、とんねるずとダウンタウンは仲が悪いと言われるのか?』(コア新書)など著書多数。近著は『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)。http://owa-writer.com/

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