マレー鉄道とサバ州立鉄道の格差ににじむ切なさ <下川裕治のどこへと訊かれて> (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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マレー鉄道とサバ州立鉄道の格差ににじむ切なさ <下川裕治のどこへと訊かれて>

連載「どこへと訊かれて」

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下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(毎週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(毎月)、「タビノート」(毎月)

国際線用と国内線用のイミグレーションがある。出発のときは少し混乱する

国際線用と国内線用のイミグレーションがある。出発のときは少し混乱する

 サバ州ではサバ州立鉄道に乗った。東南アジアの全鉄道を制覇する──という旅を続けている。ボルネオ島には、コタキナバルからテノムという街を結ぶ列車が走っている。正確にいうと本線とジョージ線に分かれているが、その距離を合わせると150キロほどになる。

 しかし切ない列車だった。車体は老朽化し、冷房も効いていない。線路もひどかった。とくにジョージ線は横揺れが激しく、座っていてもどこかにつかまらないと体が飛び出しそうだった。

 半島にはマレーシアの鉄道が列車を走らせている。日本人の間ではマレー鉄道として知られている。マレー鉄道の経営も厳しいが、車内はぎんぎんに冷房が効き、新しい車両も導入されている。マレー鉄道とサバ州立鉄道には30年以上の時代差があるように映る。

「サバの鉄道は金がないからね。サバ州だけではもう無理なんだよ」

 壊れた列車のドアを直しながら、職員はそういって笑った。


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下川裕治

下川裕治(しもかわ・ゆうじ)/1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」(隔週)、「たそがれ色のオデッセイ」(毎週)、「東南アジア全鉄道走破の旅」(隔週)、「タビノート」(毎月)など

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