森友文書改ざん問題は、安倍政権の根幹を揺るがせる騒動になっている。国会で怪しげな答弁を繰り返したの佐川宣寿前国税庁長官は稀代の「大嘘つき」であったことが明らかになりつつある。

 現在、お笑い界でも佐川前長官に負けないほどの嘘つきキャラが定着している芸人がいる。安田大サーカスのクロちゃんだ。スキンヘッドに強面の外見と甲高い声のギャップが印象的な彼は、『水曜日のダウンタウン』のドッキリ企画でその豪快なまでの嘘つきぶりを暴かれている。

 SNSで家まで歩いて帰ると書いていたのに、実際にはちゃっかりタクシーを利用していたことに始まり、SNSでアップされている日々の食事メニューの写真も嘘まみれだった。ダイエットに真剣に取り組んでいることをアピールするために、食事や間食で大量に食べていた料理やスイーツのことをひた隠しにしていたのだ。

 最近では『名医のTHE太鼓判!』で2型糖尿病、慢性腎臓病、高尿酸血症などの疾患を抱えていることが判明し、医師たちからも日々の暴飲暴食を改めるようにアドバイスされていたにもかかわらず、全く懲りずに嘘の食事記録をツイートし続けていたことが明らかになった。

『水曜日のダウンタウン』の密着スタッフがそのことを問い詰めると、その場しのぎの言い逃れでごまかそうとした挙げ句、『名医のTHE太鼓判!』の医師団について「いや、アイツら、マジうるさいから」と暴言を吐いた。さらに、同じ番組で涙ながらにクロちゃんの体調を気遣った産婦人科医の丸田佳奈に関して「泣き真似する女もいるから」とさらなる暴言。クズキャラを売りにしていたクロちゃんが真性のクズであることが判明した。

 その後、3月12日にはクロちゃんが1週間ほどの「教育入院」に入ったことが明らかにされた。『名医のTHE太鼓判!』でも生活習慣を見直すための教育入院が推奨されていたので、この番組の企画の一環であるとも考えられる。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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