第四に「子ども・孫破綻」。子どもが家を建てるときの住宅資金や孫の教育資金など、子どもや孫に資金援助しすぎて破綻すること。なかには独立した子ども世帯に「給料が少なくて可哀想だから」と仕送りしているうちに、自分たちが破綻してしまったという例もあります。

 第五に「アクシデント破綻」。これは詐欺などでお金をだまし取られて破綻すること。「世の中、うまいもうけ話はない」と肝に銘じることと、ひとりで決めずに第三者に相談することが破綻防止に役立ちます。

 第六に「低所得破綻」。これは年金がまったくもらえない、あるいはもらえても非常に低い額しか受給できないことが主な原因。年金保険料の納付月が受給資格に達しておらず、年金をもらえない人が増えています。この場合は、生活保護など公的支援を受けることを考えましょう。

「シニア破綻」を避けるためには「自分は大丈夫」と思わず、どんな人にも破綻リスクは生じると考え、しっかりと対策を練ることが大切です。

藤川太(ふじかわ・ふとし)
「家計の見直し相談センター」代表。これまでに2万世帯を超える家計の見直しをおこなう。『やっぱりサラリーマンは2度破産する (朝日新書)など著書多数

(文/村越克子)

※週刊朝日ムック「定年後のお金と住まい2018」から