また、在宅医療を始める患者の多くは、家族や専門家のサポートがないと日常生活が不自由な状態にあります。地域包括支援センターなどで、介護保険制度の利用の仕方を教えてもらい、早めに申請手続きを始めましょう。

 介護保険制度を活用することで、家族の役割分担を最小限にとどめることが、在宅医療を成功させる大きなポイントになります。家族の心身のストレスを軽減することが、患者の心身にも好影響をもたらすのです。

■退院前カンファレンスの主なテーマ
・主な病気についての入院期間での経過(病院主治医)
・主な病気の管理、日常生活動作、栄養状態、口腔衛生、メンタルの状態などの現状と課題(看護師、訪問看護師)
・在宅での希望や不安なこと(患者、家族)
・在宅療養の方針(在宅医)
・在宅でのケアプラン(ケアマネジャー)
・在宅でのリハビリプラン(理学療法士ら)
・それぞれの役割・仕事を はっきりさせる(全員)

(取材・文/近藤昭彦)

監修/新田國夫医師(全国在宅療養支援診療所連絡会会長、医療法人社団つくし会理事長)