GLAYのTAKURO(左)とTERU (c)朝日新聞社
GLAYのTAKURO(左)とTERU (c)朝日新聞社

 ロックバンドのGLAYが12月10日、同グループ名義で発表している楽曲を結婚式で使用する場合に限り、使用者から著作隣接権の料金を徴収しないと公式サイトで発表した。サイトによると、GLAYの楽曲を結婚式で使用したいというファンが多く、メンバーも「結婚式で自分たちの曲を使用してもらえる事は大変喜ばしいこと」と思い、このような結論に至ったという。

 ところで、著作隣接権という言葉は多くの人にとって耳慣れない言葉だろう。JASRACの公式サイトによれば、結婚式や披露宴などで音楽を利用する場合、作詞者や作曲者など音楽を作る人の権利である「著作権」と、レコード製作者や歌手など音楽を伝える人の権利である「著作隣接権」の手続きが必要だという。GLAYが徴収しないと発表したのは著作隣接権のみ。GLAYの公式サイトにも、「使用法により演奏権と複製権の使用料を各管理団体『JASRAC』or『NexTone』にお支払いいただくこととなります」との一文があり、完全に無料というわけではなさそうだ。だが、そんなGLAYの決断にネット上では、「改めて好きになった」「温かい人たちだ」と好意的な声が溢れている。こうした声に対し、音楽誌の編集者は「GLAYは著作隣接権の一件だけでなく最近はかなりの“神対応”を見せており、ファンから称賛されている」と話す。

「例えば、4月に金沢市で行われたライブでの話。この日、ベースのJIRO(45)が体調不良で急きょ出演をキャンセルし、ライブはJIRO抜きのメンバーで行った。そこで、この日のお客さんに改めてフルメンバーのGLAYを見せるため、5月に振替公演を実施したんです。もちろん、4月公演のチケットを持っている人は無料で、しかも振替公演に参加できない人には全額返金するという対応をしたのです」 

 ファンから見れば、1枚のチケットで2つの公演に参加できたということ。しかも、払い戻しも可能と、ここまで太っ腹なバンドはめったにいないだろう。加えて、別の公演では、スタッフの手違いで観客席がダブルブッキングになったお客さんへの対応も素晴らしかったという。

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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