骨盤底の強さには加齢のほか遺伝や肥満なども関係しているため、妊娠・出産経験のない人でも尿漏れは起こります。尿漏れがあると外出が不安になる、大好きな旅行にも行けない、趣味のスポーツやカラオケも、おなかに力を入れると漏れてしまうので楽しめないなどと、QOL(生活の質)が大きく低下してしまいます。そうなる前に、改善しましょう。

 タイプ別に治療法がありますが、どのタイプにも共通する基本的な治療法が、ゆるんだ骨盤底を鍛える「骨盤底筋トレーニング」です。

 コツさえ覚えてしまえば、自分一人でできる簡単なトレーニングですが、ポイントは継続しておこなうこと。続ければ、骨盤底筋トレーニングだけでも尿漏れの症状は改善されます。まず2カ月、試してみましょう。改善されないようなら、やり方が間違っているか、重症で治療が必要かのどちらかです。その場合は一度、可能ならば骨盤底障害を専門的に扱っている泌尿器科か婦人科を受診して診断・指導してもらいましょう。

 骨盤底筋トレーニングは、薬物治療など、ほかの治療を受けていても、継続しておこなう必要があります。「薬を飲んでいるからといってトレーニングをやめてしまうと、骨盤底の機能は低下していってしまいます。上手に習慣づけて、続けてください」(関口医師)

(文/別所文)

※「ゆとりら秋冬号」から一部抜粋