「でも日本で飲めるメイド イン トーゴがあります。“ギネス”はご存知ですか?トーゴでは“ギネス”をライセンス生産しているのですが、世界中でライセンス生産されているギネスの品評会でトーゴ産ギネスが3年連続で世界一なっているんです。これは東京にあるトーゴ料理店で飲むことができますよ」

 ギネスと言えば日本でも人気のあるアイルランドの黒ビール。なぜトーゴはそれほどクオリティが高いのでしょう。

「近年、トーゴ政府が“Label quality”という言葉を目標にしようと企業に呼びかけました。“メイド イン ジャパン”というだけで品質が良いと言われますよね? 私達の国もそうなれるよう、トーゴというラベルの品質向上を目指しているんです」

 実際トーゴ産ギネスをいただいてみると日本のギネスより苦みとコクが強い。ギネス好きには新しい発見になるかもしれません。

■ガボン共和国ののど越し良い「レガブ」

 駐日ガボン共和国大使館の文化担当室長、ギルバートさんが紹介するのは、ガボンで唯一のオリジナルビール「レガブ」。ガボン共和国はアフリカ大陸の大西洋側に位置し、公用語はフランス語。フランス語の正式国名『レプブリック ガボネーゼ』の略で「レガブ」と名付けられたという説が有力です。そんな国の名を冠したビールの人気はいかほどか。

「ガボン人でこのビールを知らない人はいないですね。街にはレストランよりもバーが多くて、どこにいっても必ずこれを飲んでいますよ。お金がなくてもビールを買うお金だけはやりくりするくらいです(笑)」

 飲んでみると、味はサッパリとしてのど越しがよく後味すっきり!どんどん飲めちゃいそうで怖いくらいです。

 ギルバートさんによると、本場では日本と飲み方が違うという。

「何も食べずに、ずーとお酒だけ飲んでます。いやぁ~健康によくないですよね」

 ギルバートさんは「私が思うに」、と前置きして、その理由は料理を出さずにお酒だけの店が多かった時代の名残りだと思うと話してくれました。だから飲むペースが速い人も多いのだとか。

「食事をしないでビールばかり飲んでいるのでペースが速いです。500mlを10本飲む人もいますよ。本当にビールが大好きなんです」

 外国人旅行者の評価も高く、帰国した旅行者から購入先を尋ねる問い合わせがガボンに頻繁に寄せられるほど。ビール好きには飲みすぎ注意の品。是非お試しください!

 世界のビールには日本には無い味や香りを楽しむことができます。しかし、それだけではなく、ビールを通じてその国の国民性や文化、時には歴史やお国柄を知ることができるのも大きな魅力です。

 幸いなことに日本には多くの外国産ビールが輸入されています。東京オリンピックまであと3年。ビールをきっかけに様々な国に触れてみては。

(淺見良太)