私立大学一般志願者数の推移
私立大学一般志願者数の推移
私立大学の系統別志願状況
私立大学の系統別志願状況

 2018年度の大学入試では、私大の門戸が狭くなり、実質倍率が上がることが見込まれるという。大学受験のプロ3人に18年度の私立大学入試を予想してもらった。発売中のAERAムック「就職力で選ぶ大学2018」(朝日新聞出版刊)より、抜粋してお届けする。

【グラフ】人気の学部はここだ!

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石原賢一・駿台教育研究所進学情報事業部長(以下、石原):18年度入試の大きなポイントは、何といっても私立大学入学定員の厳格化でしょう。18年度は、定員が8千人以上の大学なら、入学者が入学定員の1・1倍以上超過すると、国からの補助金が交付されなくなる。大学が合格者を厳密に調整するぶん、実質的に門戸が狭くなるため、合格倍率も上昇。首都圏では中堅クラスの私大でも結構厳しくなります。

富沢弘和・河合塾教育コンテンツ本部教育情報部長(以下、富沢):補助金不交付ルールは年々厳しくなってきましたが、18年度はさらに絞られますからね。収容定員8千人以上の私大は全国で44。いわゆるメジャーな私大に与える影響が大きい。17年は私大全体で受験者数が前年比で100%を超えましたが、合格者数は前年を下回る大学が多く、それだけ難化しました。国公立大は別のルールがあるのですが、このような影響は出ていません。

渡邉慧信・ベネッセコーポレーション初等中等教育事業本部情報企画課課長(以下、渡邉):それを踏まえると、私大では受験校のレベル感を広げた出願が必要になります。17年度入試では、模試の偏差値60台前半の人がMARCHの文系を受けたときの合格率が、15年度と比べ10ポイント近く下がり、約35%程度となっています。だから私立文系を目指す場合は、同じレベルなら複数校を受験しても「全滅」があり得ます。国公立にはこうした要素がないので、目標を高めに持って、あきらめずにチャレンジしてほしいですね。

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