不登校の夏休みは里帰りが鬼門 トイレに籠城で抗戦もむなしく… 唯一の解決策とは? (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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不登校の夏休みは里帰りが鬼門 トイレに籠城で抗戦もむなしく… 唯一の解決策とは?

連載「ぶらり不登校」

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「不登校にとって里帰りは、そばに寄るだけで胸が苦しくなる存在が勢揃いなのです」(石井志昂さん) (※写真はイメージ)

「不登校にとって里帰りは、そばに寄るだけで胸が苦しくなる存在が勢揃いなのです」(石井志昂さん) (※写真はイメージ)

 そんな子どもの様子を心配したお父さんも、この日をずっと楽しみに暮らしてきたおじいちゃま、おばあちゃまの期待に勝てず、「行くぞ」と連れて帰る……。そんなやりとりが全国各地の不登校家庭でくり広げられてきました。

 親の取り決めに最後まで徹底抗戦する当事者もいます。私の友人は、里帰り出発日、インスタントコーヒーの粉を食べてお腹を下させたり、トイレでのどに指を突っ込んで吐き続けたりして「体調不良」をアピールしました。

 いずれも決行したのは小学生時。もちろんですが絶対にマネはしないでください!

■周囲ができることは?

 里帰りが不登校にとって鬼門なのは、周囲の「励まそう」とする気持ちが空回りしてしまうからです。具体的なアドバイスが自己否定感を深めることにしかならず、逆効果になってしまうからです。

 不登校した本人は誰よりも自分を否定し、将来を悲観しています。けれども、まだ社会に出ていない時期は自分の悩みがどう解決されるか見えません。

 やるべきことはただ一つです。本人の安心を確保すること。

「(安心できる)安全基地があるからこそ、外で冒険ができるようになる」と、児童精神科医・高岡健さんは言います。

 残念ながら、おじいちゃま、おばあちゃま宅が「安全基地」と認められない時期もあります。でもそのときに「いつでも来たいときに」と言ってくれれば、安全基地へと変わっていく事例もたくさんあります。そのことは、ぜひ知っておいていただければと思っています。

 最後に、不登校の当事者、親、支援者たちが、たくさんの失敗と成功を重ねて紡ぎ出した結論をお伝えします。

「里帰りは希望者だけで!」

 これ以上の正解は、いまだ見つかっていません。
(文/石井志昂)


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石井志昂

石井志昂(いしい・しこう)/1982年、東京都町田市出身。中学校受験を機に学校生活があわなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた

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