でも戦うのが嫌とか、戦えないないなら、職場放棄しても全然いいと僕は思う。行かなきゃいいんですよ、学校も。そういう選択肢もある。

 テレビというメディアだから映ったものをそのまま感じ取ったり、見た人によっていろんな感じ取り方をするものだと思う。僕の親だって、たまに僕に言ってくるんですよ。「あんた、いっつも芸人たちにやられて……」って。「いや、違うんだって。それで俺は飯食ってるし、みんなわかりきってやってるんだ」って説明するんです。

 昔はテレビを見てたら、親は「何、真剣に見てるのよテレビなんか」って言うものでした。「テレビなんか見たらバカになるわよ」って。その時代、僕らにとっては、ブラウン管のテレビって夢の箱だったんですよね。非現実なんですよ。いまはそれと現実がぐちゃぐちゃになって、テレビに求めるものがすごく変わってきた。いまは「テレビは教科書じゃないといけない」ってなってる。「ドリフターズ」で天井からタライが落ちてきて、志村けんさんがバーンと倒れるというシーンも、いまはややもすると危険だから止めてってことになりかねないと思うんですよね。

 バラエティ番組に「間違ったこと言った」とか「この人、いい加減なことやってる」とか……。もともと、そんなものだよ! 特にお笑いなんていい加減なやつの集まりなんだから。だから「この人達こんなことやってるけど、バカばっかりだからね」「こうなったらダメよ」って言いながら見てもらうのが理想。NHKスペシャルとは違うんだから。これは本当なのか、嘘なのかと楽しみながら見てほしい。

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