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“長谷部ロス”は大きく悲観すべき問題ではない 懸念は指揮官の精神状態

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日本代表のキャプテンを務めるMF長谷部(写真:Getty Images)

日本代表のキャプテンを務めるMF長谷部(写真:Getty Images)

 現地時間3月23日(以下現地時間)に行われるW杯アジア最終予選UAE戦を目前に控え、日本代表にショッキングなニュースが飛び込んできた。

 キャプテンの長谷部誠がヒザの手術を行うというのである。

 長谷部が所属するフランクフルト(ドイツ)のクラブ公式サイトによると、3月11日に行われたブンデスリーガでのバイエルン・ミュンヘン戦で負傷交代していた長谷部は、その後MRI検査を行い、ヒザの手術を実施することが決定したという。復帰時期は未定としているが、もし手術が行われれば、長期離脱は避けられまい。

 長谷部は当初の予定通り日本代表に合流したが、所属クラブがこうした判断を下している以上、UAE戦の出場は難しいだろう。つまり、日本代表は長谷部の穴を埋めなければならないということだ。

 この問題を考えるとき、「ボランチ長谷部」と「キャプテン長谷部」とを分けて考える必要があるだろう。

 まずは、ボランチ長谷部の穴だが、これについては大きな問題はないはずだ。すでに山口蛍(セレッソ大阪)が多くの舞台を経験し、ボランチの主力として成長しているうえ、同ポジションには今野泰幸(ガンバ大阪)、高萩洋次郎(FC東京)らも加えている。長く日本代表戦に出続けている長谷部に、連係面では劣るかもしれないが、アジアレベルの試合であれば、それほど心配する必要はない。

 問題は、キャプテン長谷部の穴である。

 2010年W杯直前にキャプテンとなって以来、長谷部は常に日本代表でリーダーシップを発揮してきた。それは、単にチームをまとめるというだけでない。試合中にはレフェリーとコミュニケーションを取って、不利な判定がないようにけん制しておくなど、常にチームの先頭に立って戦いに臨んできた。

 幸か不幸か、現在の日本代表には30代の選手が多く、経験という意味では低くはないが、チームの先頭に立つタイプの選手は少ない。川島永嗣(メス/フランス)、本田圭佑(ミラン/イタリア)あたりが代わりを務めたいところだが、彼らは所属クラブでほとんど出場機会が得られていないため、まず試合に出られるかどうかという問題が先立ち、長谷部の穴埋め役に適任とは言い難い。

 特にこの3月の2試合は、日本代表にとって約4カ月ぶりの活動とあって、まずはお互いの意識のすり合わせから始めなければいけない。そんなときに、周りの選手に声をかけ、チーム全体を同じ方向に導いてくれる存在がいないことは、決して小さくない痛手である。


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