今年は三冠王、50本塁打などさらなる活躍が期待される筒香嘉智=北村玲奈撮影 (c)朝日新聞社
今年は三冠王、50本塁打などさらなる活躍が期待される筒香嘉智=北村玲奈撮影 (c)朝日新聞社

 3月31日に開幕するプロ野球。毎年、優勝争いとともに注目が集まるのが選手の個人成績である。今回は2017年シーズンの打撃部門のタイトル争いをセ・パに分けて予想する。

 セ・リーグの注目は、なんといっても東京ヤクルトの山田哲人だろう。昨季、史上初の2年連続トリプルスリーを記録し、3年連続で3回目の達成となれば、メジャーリーグでも達成者のいない前人未到の大記録となる。

 14年に日本人の右打者としてシーズン最多安打となる193安打を記録してブレイクした山田は、15年に史上初めて本塁打王と盗塁王のタイトルを同時に獲得。また、トリプルスリーと100打点の同時達成は65年ぶりの快挙だった。そして昨季、NPBでは初のトリプルスリー複数回達成と、毎年何かしらの記録を塗り変えている山田が、今季は「世界初」に挑むシーズンとなる。

【首位打者】
 昨季は坂本勇人巨人)が初タイトルに輝いたこの部門だが、2年連続で首位打者となったのは、1997、98年の鈴木尚典(当時横浜)が最後となっている。昨季は.304で6位に終わった山田だが、その前の2年間はいずれも3割2分台を記録しており、有力候補の一人であることは間違いない。

 山田の強力なライバルになりそうなのが、現在「三冠王に一番近い男」と言われる筒香嘉智(DeNA)だ。他にも、体調万全なら15年の首位打者である川端慎吾(東京ヤクルト)も有力候補。これに昨季大ブレイクを果たした鈴木誠也(広島)、過去2度の首位打者に輝き、昨季復活の兆しを見せた福留孝介(阪神)らが候補となる。

【本塁打王】
 昨年、セ・リーグの日本人選手では08年の村田修一(当時横浜)以来となる40本塁打の大台に達した筒香嘉智(44本塁打)が最有力。昨季は日本人タイ記録の月間16本塁打や史上初の3試合連続マルチ本塁打を記録するなど、本格化した和製大砲は今季、セ・リーグの日本人選手としては松井秀喜(当時巨人)以来となる50本塁打超えが期待される。

 対抗馬はやはり山田、鈴木あたりになるが、この部門では過去10年間で8度と、外国人選手が強い。昨季も30本塁打以上を記録しているバレンティン(東京ヤクルト)やロペス(DeNA)などの実績組に加えて、日本に慣れた2年目でさらなる力を発揮しそうなビシエド(中日)やギャレット(巨人)、さらには大穴として、プレシーズンの試合で本塁打を量産しているゲレーロ(中日)あたりも面白そうだ。

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