VRが孤食を救う? おばあちゃんと食卓を囲む「バーチャン・リアリティ」とは (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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VRが孤食を救う? おばあちゃんと食卓を囲む「バーチャン・リアリティ」とは

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簡易VRビューアーの利用イメージ(南あわじ市提供)

簡易VRビューアーの利用イメージ(南あわじ市提供)

独立国「あわじ国」のポスター。上沼恵美子官房長官の存在感がすごい(南あわじ市提供)

独立国「あわじ国」のポスター。上沼恵美子官房長官の存在感がすごい(南あわじ市提供)

 投票の結果、独立賛成派が圧勝し、16年3月にあわじ国が始動、上沼さんが“官房長官”、中田勝久市長(17年2月に退任予定)が“大統領”に就任した。以来、市は特設サイトでタマネギやそうめん、うにしゃぶといった特産品、鳴門海峡の渦潮などの名所を紹介している。

 今回のVR動画は、1人でご飯を食べる「孤食」の解消に取り組みつつ、市の特産品を効果的にPRしようと企画した。おばあちゃんが登場する朝ごはん編と夜ごはん編のほか、渦潮を楽しめる「うずしおクルーズ」、淡路人形浄瑠璃を取り上げた「淡路人形座」の計4本の動画を作成した。

 いずれも360度のVR動画で、スマホを上下左右に動かせば全方向の映像が見られる。市販のビューアーを顔に着ければ、臨場感たっぷり。おばあちゃんたちとの交流も、よりリアルに心に刺さる。動画はパソコンでも楽しめる。また、市に1万円以上のふるさと納税を寄付した人のうち、希望する先着200人に、あわじ国オリジナルの簡易VRビューアーをプレゼントする。

 喜田さんによると、VRは撮り直しができないため、動画の撮影、特に大勢が出演する夜ごはん編の撮影に苦労したという。出演しているのは、子どもたちを含めほとんどが一般の市民。リハーサルを重ね、一発勝負で臨んだところ、なんとか成功したという。喜田さんは「動画をきっかけに田舎の良さや文化、食の宝庫である淡路島を知ってほしい」と話す。

 あわじ国の官房長官、上沼さんはVR動画の公開に際し、こんなコメントを寄せている。「おなじ家族の中でも、ともに食卓を囲めない状況が多いと聞きます。それは、あまりにもさびしいではありませんか。もっと、食べることをみなさんに楽しんでほしい。みんなで食べると、もっと、食事はおいしくなる。日本の食卓に、笑顔とおいしさがあふれますように」

 仕事や家事などで疲れていても、私たちにはおばあちゃんがついている。あわじ国の「バーチャン・リアリティ」は、明日へ向かう背中をそっと押してくれるかもしれない。(ライター・南文枝)


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