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腎臓がんでも保険適用となったロボット手術 その意義を600件を超える手術を執刀してきた名医が語る

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ダヴィンチと遠隔隔操作する医師(写真/堀江医師提供)

ダヴィンチと遠隔隔操作する医師(写真/堀江医師提供)

順天堂医院でおこなわれる前立腺がんのロボット手術で、危険な状況に陥った事例は一つもない(写真/堀江医師提供)

順天堂医院でおこなわれる前立腺がんのロボット手術で、危険な状況に陥った事例は一つもない(写真/堀江医師提供)

新「名医」の最新治療 2017(週刊朝日ムック)

朝日新聞出版
定価:700円(税込)

978-4022775238

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腹腔鏡手術よりも、精密で安定した手術を可能にしたロボット手術──。前立腺がんに加えて、2016年4月には腎臓がんでも保険適用になった。患者にとってのメリットは大きい。(週刊朝日MOOK「新名医の最新治療2017」より)

*  *  *
 治療によって得られる効果を落とすことなく、からだへのダメージを極力小さくすることが、いまの医療の大きな方向性となっている。外科手術の領域でもその傾向は顕著だ。従来のように皮膚を大きく切開する開腹手術から、腹腔鏡などの内視鏡を用いて、小さな傷で済む手術へとニーズは移行している。

 腹腔鏡手術とは、胸やおなかの皮膚に5~6カ所程度の小さな穴を開け、その一つに腹腔鏡と呼ばれるカメラを挿入。モニターに映し出されるおなかの中の映像を見ながら、別の穴から挿入した鉗子などの手術器具を操作しておこなう手術のこと。開腹手術に比べて術後の皮膚の痛みは小さく、回復も早い。

 術者にとっても、おなかの奥深くや臓器の裏側など、従来の手術では直接見ることが困難だった部位も、カメラさえ到達すればクリアに見られるメリットは大きい。現在、がんでは胃がん、大腸がんなどの消化器系や婦人科系、泌尿器系などを対象とした手術で利用されている。

 しかし、そんな腹腔鏡手術にも弱点はある。体内に挿入するカメラや鉗子などの手術器具はすべてまっすぐな「棒」のため、おなかの中での可動性はおのずと制限される。しかも、視野がカメラの映し出す範囲に限られるため、術者とカメラワークの高度な連携が求められるのだ。限界を感じた時には速やかに開腹手術に切り替える必要があるが、無理をして腹腔鏡手術にこだわりすぎると重大な医療事故につながりかねない。

■どんなに細かい作業でも安定した動きができる

 そんな中、近年、存在感を増しているのが「ロボット手術」だ。

 腹腔鏡手術を高度に進化させた手術支援システムで、操作をするのはあくまで外科医。ロボットは手術している部分を3D映像化し、それを見て執刀する外科医の手や足の動きを正確に手術器具に伝えてアシストをする──という技術だ。


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