日本球界に訪れた“キャッチャー氷河期” 打てる捕手は再び誕生するか 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

日本球界に訪れた“キャッチャー氷河期” 打てる捕手は再び誕生するか

このエントリーをはてなブックマークに追加
dot.

阪神戦で適時二塁打を放った小林誠司選手=2015年9月22日、白井伸洋撮影 (c)朝日新聞社

阪神戦で適時二塁打を放った小林誠司選手=2015年9月22日、白井伸洋撮影 (c)朝日新聞社

 プロ野球で、攻守にハイレベルな捕手が減っている。

 今季はセ、パ両リーグで、規定打席に到達した捕手は小林誠司(巨人)だけ。その小林も、打率は.204の27位で、26位の鳥谷敬(阪神)に.032差という大差の最下位。盗塁阻止率こそ.356で12球団1位だが「攻守そろう」とは言えない。来年3月には第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催されるが、侍ジャパンに飛び抜けた正捕手候補が見当たらないのが現状だ。

 過去3大会では、第1回が里崎智也(ロッテ)、第2回は城島健司(マリナーズ)、第3回は阿部慎之助(巨人)が正捕手を務めた。里崎は打率.409で大会のベストナインに選ばれ、城島は決勝(韓国戦)で4番を打つなど打率.333、阿部も4番としてチーム最多の2本塁打、7打点と活躍した。いずれも守るだけでなく、バットでもチームをけん引。上位進出に大きな役割を果たした。

 11月に4試合行われた強化試合(メキシコ戦、オランダ戦)には小林、大野奨太(日本ハム)、嶋基宏(楽天)の3人が選ばれた。大野がサヨナラ打を含む7打数3安打と奮闘したが、今季公式戦では通算打率.245、OPS(出塁率+長打率).678だけに、中軸としては期待できない。小林と嶋は無安打だった。

 「打てる捕手」の候補を探してみよう。筆頭は原口文仁(阪神)だ。今季は規定に79打席不足していたが、打率.299、11本塁打、46打点。阪神ではクリーンアップも務めた。盗塁阻止率が.233(セ・リーグ規定以上の7人中6位)と、低い点は気掛かりだが、打撃に限れば一流だ。

 パでは森友哉(西武)が規定打席に51足りないが、打率.292、10本塁打、46打点をマークしている。ただし、森は主に外野手や指名打者としての出場が多く、捕手として今季26試合、191イニングしかマスクを被っていない。盗塁阻止率は.360(企図25、許盗塁16、盗塁刺9)とリーグ屈指だが、捕手経験があまりに少ないだけに起用するには相当な覚悟が必要となる。西武なら多少の失敗は次回への糧として許されるが、侍ジャパンでは小さなほころびが命取りになる。

 ある水準以上の守備能力を保有した選手になると、中村悠平、西田明央のヤクルトコンビは面白い。中村は今季こそ打率.187と低迷したが、2014年には.298を記録した。西田は今季74試合で7本塁打を放ち、54安打中24安打が長打とパワーがある。盗塁阻止率も.326と高い。

 中日の杉山翔大は今季の打率が.260だが、早大時代には東京6大学リーグの3冠王に輝いている。今季は盗塁阻止率がリーグ3位の.327と、守備でも成長を見せた。

 ロッテの田村龍弘は、規定打席にわずか13だけ届かなかったが、打率.256で38打点。高校時代は全日本でクリーンアップを打っていた。盗塁阻止率はリーグ3位の.306と高く、物怖じしない性格は国際大会向きといえる。(文=日刊スポーツ・斎藤直樹)


トップにもどる dot.オリジナル記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい