プーチンは二島返還に応じるか? 日本が打つべき最良の手とは (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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プーチンは二島返還に応じるか? 日本が打つべき最良の手とは

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塚口直史氏(撮影/深澤裕)

塚口直史氏(撮影/深澤裕)

 2016年12月15日、安倍首相の地元である山口県長門市で、ロシアのプーチン大統領との会談が行われる。さらに翌16日には場所を東京の総理官邸に移し、経済問題を主要議題とした話し合いに臨む予定だ。

 今年5月16日に安倍首相がロシアのソチを非公式に訪問した際に行われたプーチン大統領との日ロ首脳会談では、平和条約締結、経済・安全保障分野など、多岐にわたる分野について話し合いが持たれ、一部報道では北方領土問題解決に大きな期待が持てると伝えられた。

 今回の首脳会談で、なんとしても北方領土問題を進展させたい安倍首相だが、12月15日の会談でパッと霧が晴れるような状況に至るとは思えない。それでも、安倍首相がロシアに対して宥和姿勢を示す短期的な理由には、トランプ大統領のもと、ますます内政重視に傾いていくと思われるアメリカがある。アメリカのドル安政策によってもたらされる円高とデフレへの回帰を恐れているであろう安倍首相には、日ロ外交に金字塔を打ち立てることで政権支持率を回復しようという意図が見え隠れする。そう指摘するのは『トランプ・シフト これからの世界経済に備える14のこと』(朝日新聞出版)の著者・塚口直史氏だ。

 塚口氏はロシア・モスクワを拠点とする英国系投資顧問会社のグローバル・マクロ戦略のヘッジファンドマネージャーであり、特に地政学リスクをベースとした運用戦略が専門だ。塚口氏によると、地政学リスクを考慮した場合、ロシアに対する宥和姿勢の長期的な理由として、米国一極集中から多極化に進むなかで、中露に対し二正面作戦を避けるという安全保障上の理由が挙げられるという。

 こうした日本の事情を背景に、まずは「歯舞、色丹の返還手続きに関する交渉」を、続いて「国後、択捉の地位に関する交渉」を行い、合意後に平和条約を締結するという、二つの交渉を同時並行で行う代わりに二島返還で手を打とうといった日本側の妥協案もまことしやかに伝わっている。

 しかしながら、当のロシア側には北方領土問題解決に向けて島を返還する理由や事情が果たしてあるのだろうか?

 短期的な動機として、対日関係を改善することで、最大の貿易相手である中国に対する経済的立場を強めようとする思惑があるのではないかと、塚口氏は指摘する。


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