ミランは昨年もタイの実業家と株式売却で合意し、大金を投じて補強に動いたが、その後取引が破談した。そのため、今年は身売り確定まで「爆買い」をアテにしない方針だ。補強するには現戦力を売却し、資金をねん出する必要がある。そんな事情から補強が進まず、サポーターがいら立っている状況だ。

 もちろん、今月中に決まると言われる身売り問題が決着すれば、チャイナ・ミランが「爆買い」する可能性はある。今後数年、中国からは毎年1億ユーロ(約116億円)の補強資金が注入されると言われているからだ。だが、8月に入ってしまうと、大物獲得は簡単ではないだろう。

 結局のところ、インテルもミランも、この夏の大型補強はないかもしれない。だが、両クラブとも今季こそチャンピオンズリーグ出場権獲得が求められることは確かであり、それだけの戦力が必要となる。「一寸先は闇」というカルチョマーケットの世界だけに……。

(文・中村大晃)