長友所属のインテルは、すでに「中国の物」に(写真:Getty Images)
長友所属のインテルは、すでに「中国の物」に(写真:Getty Images)

 低迷が続くイタリア・ミラノの2チームに、チャイナマネーが到来する――ミランとインテルが「中国の物」となることへの感情論は別に、両チームとイタリアサッカーのファンは、この知らせに一つの期待を抱いたはずだ。巨額を投じた大型補強の可能性である。果たして、それは実現するのだろうか。

 2億7000万ユーロ(約312億円)でインテルの株式約7割を取得した蘇寧グループは、小株主となったエリック・トヒル会長を続投させ、株式を手放してクラブから去ったマッシモ・モラッティ氏にアドバイザー的な役割を求めた。これまでの体制を尊重し、徐々に内部からのクラブ掌握を進めていく考えとみられる。

 ただもちろん、オーナーとなった蘇寧グループは、自分たちの方針も打ち出している。その一つが、補強戦略。ロベルト・マンチーニ監督が経験豊富な一流選手を望んでいるのに対し、ファイナンシャルフェアプレーの影響もあり、オーナー側は「大金を投じるなら若手に」というスタンスだ。

 実際、目玉補強のターゲットとして報じられているのは、スポルティングに所属するポルトガル代表MFジョアン・マリオ(23)や、あのネイマールを超える逸材とも言われるパルメイラスFWガブリエウ・ジェズス(19)といった若い選手たち。タレントであることは間違いないが、期待されていた「大物の爆買い」とは異なる。

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