「僕は特にステージに上がってライブするとき熱くなりがちなんですが、今回春雄を演じさせてもらって、もっともっと熱くなりたいなと思いました。僕の理想像が春雄なので、これから十年先、二十年先、目指していきたいですね」

 そんな加藤の演技を、平は「加藤さんの説得力あるセリフで、泣くシーンじゃなくてもうるうるしてしまうことがあって。本当に熱血ファンキーだなと思いました」と絶賛。

 共演の泉谷しげるは、フラッシュの嵐にあう加藤に向かって冗談交じりに「守ってあげるから!」と言うなど、加藤の騒動のさなかでも、キャスト陣が強くまとまっていることを感じさせた。

 しかし、キャストが全員で写真を撮るフォトセッションの場面では、加藤の本音が見える部分もあった。全員が舞台上に集まって写真撮影に応じていると、表情が硬い加藤に向かって、客席から「笑って!」という声がかかった。するとこれをきっかけに、客席からは一斉に「笑え!」「笑えー!」と“笑えコール”が。これに加藤は、「笑ってるんだけどひきつっちゃうんだよ!」と苦笑交じりに答えた。

 加藤は最後に「共演者の皆さんとスタッフの皆さんと(ロケ地となった)大分県の皆さんとともにたくさんの情熱をささげながら作ったすてきな作品です。たくさんの方に見ていただきたいと思います」とあいさつ。退場する際には、ほかのキャストを先に送り出し、自身は最後に、客席に手を合わせて謝るようなしぐさをして退場した。

 不倫騒動の加藤と、プロサッカー選手・長友佑都選手との熱愛が報じられている平という、話題のふたりが顔をそろえる場とあって、注目されていた今回の舞台あいさつ。平に対しては客席から、長友選手の発言にかけた「アモーレ」コールがたびたび起こり、平はこれに笑顔で応じていた。そんな一方で、主演の加藤は顔がこわばり、「笑って」コールを浴びるといった状態。話題のふたりの明暗が見えた舞台あいさつでもあった。(文・横田泉)