代表初先発の浅野はチャンスを迎えるもゴールならず。(撮影・六川則夫)
代表初先発の浅野はチャンスを迎えるもゴールならず。(撮影・六川則夫)

 キリンカップサッカー2016の決勝戦が6月7日に大阪の吹田スタジアムで行われ、日本代表は清武弘嗣のゴールで先制しながらも、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表に1-2と逆転負けを喫し、5年ぶりの優勝を逃した。左膝痛の本田圭佑に続き、ブルガリア戦で右脇腹を打撲した香川真司も欠場を余儀なくされたボスニア戦。トップ下には清武が入り、右FWには俊足ストライカーの浅野拓磨が代表初スタメンを飾った。

 試合は28分に宇佐美貴史のドリブル突破から清武が先制点を奪ったものの、直後の29分にホジッチのヘディングシュートから、こぼれ球をジュリッチに押し込まれて同点ゴールを許してしまう。後半開始時にハリルホジッチ監督は柏木陽介に代えて遠藤航を投入したことで守備が安定し、日本は押し気味に試合を進めたものの、ボスニアにワンチャンスを決められ決勝点を奪われてしまった。

 後半21分、ボスニアのFKの前にステバノビッチが交代で右MFに入る。直後のFKでパスを受けたステバノビッチは素早いカットインで長友佑都を置き去りにするとスルーパス。これに走り込んだジュリッチが右足のワンタッチシュートでゴール左隅に決勝点を流し込んだ。ハリルホジッチ監督は「何人かの選手はバカンスで頭がいっぱいだったのかもしれない。集中を欠いたプレーだ」と指摘したように、ほんの一瞬だが日本の選手は誰もがボールウオッチャーになっていた。

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