その成果なのか、「餃子の街」または「ギョーザの街」で検索すると、上位のほとんどを宇都宮が占めているほどだ。今や「餃子の街といえば?」と聞かれたら、「宇都宮」と答える人が大半だろう。

 そんな宇都宮に戦いを挑んだ浜松だったが、05年に浜松餃子学会を発足し、2007年から「餃子の街」として売り出しスタートと、宇都宮に後れを取っていることは否めない。ゆえに「餃子の街」として定着するためには、餃子消費量日本一の座を明け渡すわけにはいかない。浜松餃子学会は、来年1月に発表される家計調査でも、1位を目指すとやる気をみせている。

 ところが、ライバル宇都宮は、佐藤栄一市長が「順位にかかわらず、引き続き関係団体や市民と一体となって『餃子のまち うつのみや』を盛り上げていきたい」とコメントしており、順位にこだわる餃子戦争から一歩引いた姿勢を見せている。このまま餃子戦争はノーサイドとなるのだろうか。

 こうした都市間の争いは、他の食品ではみられない現象で、宇都宮市の宣言を残念に思う人も多いという。浜松餃子学会も、「両市を元気にし、他の餃子ご当地を元気にし、日本を元気にする重要かつ楽しいバトルなのです」と、両市にとって活性化のいいキャンペーンだとする向きもある。

 餃子戦争によって「餃子の街」の知名度は確実に高まったはずだ。このまま本当に終わらせて良いのか、来年に向けて、両市の動きから目が離せなくなりそうだ。