「競技の特徴を大ざっぱに言うと、ドッジボールのボールを枕に替えたようなもの。細かいルールは試行錯誤を続けながら、追加してきました」

 競技エリアは、およそ20畳分のコートが2メートルの間隔を空けて向かい合っている。1チーム8人編成で、その内訳は選手5人とサポート役3人。選手には「大将」と布団を持って防御する「リベロ」がそれぞれ1人いる。

 1セット2分を3セット戦い、2セットを先取すれば勝ちだ。ただ、「大将」に枕を命中させると、1セットを取ることができる。両チームとも大将が残っていれば、残った選手が多い方がセットの勝利となるが、3セットで勝負がつかなかった場合には「大将」による枕の遠投で勝敗を決める。

 「まくら投げ」のリアリティーを追求している。というのも、各チームは残り30秒になるまでに、1試合に1度だけ「先生が来たぞ~」と叫び、相手コートに落ちている枕を取りに行くことができる。枕がたまったところで、権利を行使すれば、大量の枕を武器に一斉に攻撃できる。「先生が来たぞ~」は、ゲームの中で最大のヤマ場だ。

 競技が面白くなるように、ルールに工夫も加えてきた。前出の担当者はこう語る。

「第1回大会では、全員が布団を持てるようにしましたが、審判から見えにくく、第2回大会は『布団なし』としたら、つまらなかった……。そこで、残り30秒になると布団を置かねばならないということに定めました」

 「布団なし」……つまり身を隠すものが何もない状態になると、壮絶なバトルになるらしい。混戦の中で枕を投げ合うことは、危険な気もするが「安全対策はバッチリ」だとか。なぜなら、枕にはファスナーや飾りが付いていない。また、軽すぎると飛ばないため重さが適度に調整され、端を二重に縫って補強した「まくら投げ仕様の専用枕」とのこと。寝心地ではなく、「投げ心地」にこだわった特注品だ。

 次回の大会は来年2月27日から2日間の日程で開催する予定だ。参加申し込みは11月2日から同月末日まで。まくら投げに自信がある方は挑戦してみていかが!? 

(ライター・若林 朋子)