「歯科医師にとって不利な質問にも真摯に答え、患者が望まない治療だとしてもその必要性を伝えられることが歯科医師の責任。患者に迎合するのではなく、十分に話し合って、いまできる最善の治療法をともに考える歯科医師を選んで」(大塚勇二歯科医師)

 コミュニケーションをとるためには患者側からどんどん質問することも必要だというのは若林健史歯科医師です。

「たとえば『今後は生活習慣をどう変えたらいいのか』など、具体的に質問しましょう。全身の健康面も含めて適切に助言してくれる歯科医師は信頼できます。また、自費診療でも保険でも、同じように説明してくれるのも基本です」

 全身管理という観点から、どんな病院と連携しているかも知っておく必要があると強調するのは松尾通歯科医師です。

「歯の治療の過程で口腔がんに気づいたり、糖尿病や認知症、介護の問題などが発生したりすることもあります。歯科医院内で完結する時代ではありませんので、『連携している病院は?』と質問しても失礼ではありません」

 できれば一つの歯科医院で何年も診てもらえることが理想です。そのためには患者のほうにも高い意識が必要です。

「患者さんも時間と約束を守り、治療に対して誠実であってほしいですね。歯科医師との関係は常に対等で、お互いに尊重して理解し合う。いうなれば、男女関係と同じです(笑)」(大塚歯科医師)

(取材・文/神 素子、イラスト/アサミナオ)

※週刊朝日MOOK『いい歯医者2015 若さと健康を保つ歯科治療』より