アギーレJ圧勝発進も精彩を欠いた本田圭佑 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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アギーレJ圧勝発進も精彩を欠いた本田圭佑

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前半、パレスチナ選手と競り合う岡崎(c)朝日新聞社 

前半、パレスチナ選手と競り合う岡崎(c)朝日新聞社 

 オーストラリアで開催されているアジアカップで、前回王者の日本は初戦で初出場のパレスチナと対戦し、遠藤のロングシュートなどで4-0と快勝して連覇へ好スタートを切った。

 パレスチナはAFCチャレンジカップで優勝して今大会の出場権を獲得した、いわば“ワイルドカード”で参加という、今大会で最もランクの低いチームと言える。それだけに日本が4-0で一蹴したのは当然の結果でもある。

 先制点は開始8分、遠藤がロングシュートでパレスチナの出鼻を挫いた。日本は「4-3-3」のシステムから攻撃時は酒井と長友が高い位置に上がり、長谷部がDFラインのセンターに入る「3-4-3」にチェンジする。先制点のシーンはGKの川島が長谷部につなぎ、長谷部は左サイドに開いていた森重にパス。この時の日本は記者席から見て、きれいな「3-4-3」の布陣だった。

 そして森重が前線の乾に展開すると、乾はドリブルで持ち上がり中央の遠藤へとパス。この時点で遠藤はフリーで、ドリブルしてもプレスが緩いため迷わず右足を振り抜いてパレスチナ・ゴールを陥れた。25分には香川のシュートを岡崎が頭でコースを変えて追加点。「ゴールはシンジ(香川)がいいシュートを打つと思ったけど、外れると思った。軌道が外れたらいつもそれを狙っている」(岡崎)という狙い通りの得点だった。

 さらに44分には香川が倒されて得たPKを本田が決め、前半で3点のリードを奪う。地元ファンは、パレスチナの選手が大きくクリアしたり、GKが果敢な飛び出しでボールをキャッチしたりすると盛んに声援を送るほど、両チームの実力差は明らかだった。

 後半も立ち上がりの49分に左CKを短くつないだ香川のクロスを吉田がヘッドで豪快にたたき込みリードを広げる。それでもパレスチナは諦めずに最後まで戦ったのは、イスラエルとの民族的な対立からサッカーをすること自体が困難な環境にあることの裏返しなのだろう。

 日本は連覇に向けて好スタートを切った。しかしパレスチナとの実力差を考慮すれば手放しで喜べるものでもない。グループDのもう1試合はイラクが1-0でヨルダンを下した。日本は16日にそのイラクと対戦し、勝てばグループリーグ突破がほぼ確定する。アギーレ監督も「イラク戦に向けて修正点はある。2~3日、練習時間があるのでしっかり修正したいし、4-0の勝利で選手の集中力が低下することは阻止したい」と話していたように、次のイラク戦を今大会の初戦と思うくらいの危機感を持った方がいい。

 そんな日本の唯一の気掛かりは、オーストラリア南東部セスノックでのキャンプから身体が重くキレのない本田が、パレスチナ戦でも精彩を欠いていたことだ。ボールが足に着かずプレーにスピード感もない。4日間でどこまで回復するか。イラク戦は本田のコンディションがカギを握ることになるだろう。

(オーストラリア=サッカージャーナリスト・六川亨)


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