AERA dot.

コラム・小説

このエントリーをはてなブックマークに追加

白石一文
プラスチックの祈り

  • 第53回(最終回)


    「ペットショップにいた女性の名前だよ。彼女が川添さんの娘なら名前くらい知らないはずがないと思うんだ」「たしかにそうかも」 それにしても川添凛子が「川添」という苗字だというのも奇妙ではあった。 自分にとって「川添」と言えば、失踪した「川添晴明」以外にいないはずではなかったか。「晴子……」 無意識に名前...

中田英寿
[つなぐ]

  • 中田英寿 つなぐ 日本最北端の地・宗谷岬


     視界5メートルもないような猛吹雪。6年半におよぶ旅のエンディングでも、その土地“らしさ”に遭遇するあたりは、さすがというべきだろう。「もう無理! 早く写真撮ろう」 2015年12月1日。「日本最北端の地」宗谷岬の碑の前に立った中田英寿の叫びも吹雪が消し飛ばす。●旅はサッカーと同じ 09年の春に「日...

堺屋太一の戦後ニッポン70年

  • 第30回 戦後官僚主導体制は何を作ったのか


    1.戦前は官軍専政、戦後は官僚主導 第2次世界大戦前の日本は、天皇制に名を借りた官僚・軍人専制だった。それが戦後は民主主義の名を冠した官僚主導制になった。 戦争前の体制は、高等文官試験に合格した官僚と陸海軍大学校を卒業した軍人の専政だった。特に昭和に入る頃からは議会や天皇側近による制御も効かなくなる...

犬ばか猫ばかペットばか

  • 第1251回 テレビから懐メロ流れそばに来る


     昨年の梅雨のころ、わが家の庭先にシャム風の猫が出入りするようになりました。近所の飼い猫ではないようです。8月末から姿を見せなくなり、ホッとした半面、事故にあったのではと案じていました。 ところが、彼女は9月末に4匹の丸々した子をくわえて来たのです。華奢で育児放棄タイプと思っていたのに……。感動しま...

小泉今日子になる方法

  • 最終回 小泉今日子に学ぶ4か条


     小泉今日子の「変わっていく力」の秘密はどこにあるのか。それを探って来たこの連載も、今回が最終回となります。まだまだ、彼女の魅力を汲みつくしたとはいえませんが、私の力のおよぶかぎりの報告はできたように感じています。 小泉今日子の生きかたをそっくりまねることは、当人以外の誰にも不可能。とはいえ、彼女が...

ごきげんに生きよう

  • 第54回 吉本興業と横山やすしさんに学んだこと


     新年を迎えたと思ったら、はやもう3月。 月日がたつのは早い。 この連載を始めたのは昨年の2月で、もう1年以上が経つ。残念なことに、今回が最終回。 最終回、古巣の吉本興業と横山やすしさんのことについて書きたい。 早いもので、横山やすしさんが亡くなって今年でちょうど20年になる。 1984年の春、わた...

ぼくが始めた日本百貨店

  • 第42回 ハンカチは要りません


     先日香港のお客さまとお話していた時。「なんでこんなにいっぱいハンカチばっかり。香港の人はハンカチ使わないよ!」というお話をいただきました。ちょっとしたことだけど、同じような容姿の国の方が、違う文化を持っているということは、すごく刺激的、すごく楽しいことです。 売上の傾向も違っています。海外の方に南...

地球の旅人 東苑泰子の東遊西撮記

  • 第9回 フィンランド 数えきれない湖と終わりのない森と時を越えた教会と


     昨夏、ロシアやバルト三国を周遊中にフィンランドを訪れた。19年前、ロシアのサンクトペテルブルクへ行く途中、首都のヘルシンキに立ち寄ったことがあった。当時、まだ日本には紹介されていなかった北欧デザインで、建物だけでなくベンチやカートに至るまですっきりと統一された空港や駅のモダンさに感銘を受けた。そし...

地球の旅人 東苑泰子の東遊西撮記 ユーラシア横断編

  • 第2回 中国の人海を泳ぐ


     7月1日に中国山東省の青島に上陸し、そこから列車に乗って、西へ西へと旅してきた。済南、泰山、開封、鄭州、安陽、洛陽、太原、平遥、延安、西安、蘭州、西寧、同仁、玉樹。左の地図をご覧いただきたい。この1カ月間、主な都市を回りながら、広い中国を駆け抜けてきたことがお分かりいただけるだろう。 中国は90年...

親子で読みたい本

  • 第29回 「手を使う文化」も次世代に受け継いでいく『ただしいもちかたの絵本』


     一生、役に立つ! 子どものうちに身につければ、大人になっても苦労しない『ただしいもちかたの絵本』が金の星社から2016年9月に刊行され、話題になっている。子どもに身近なものの持ち方を、わかりやすい絵と文で紹介し、親子で楽しく実践することができる。 この絵本では「しょくじ・りょうり」「あそび・まなび...


最初の読者から

  • 10月号
    尾藤誠司 Bito Seiji
    他者と社会につながる「感じ考える身体」


     医療(ここでは西洋医学に基づいた医療を指します)という職業を一言でと問われたら、「科学(医学)という道具を使って、人間が持っている壊れた部分を見つけ出して、それを修復すること」だと答えています。私も含めた医師たちは卒前の医学部教育から卒後専門家としての生涯にわたる成長の過程で、ずっと「科学(医学)...

著者から


このエントリーをはてなブックマークに追加