ピアニスト中村紘子、がんの治療を継続しながらコンサート活動再開
ピアニスト中村紘子、がんの治療を継続しながらコンサート活動再開

大腸がん治療のため2月に活動休止していたピアニスト中村紘子による活動再開の会見が、6月3日都内ホテルで開かれた。  

 2014年2月に腸閉塞で手術を受けた際に大腸がんが見つかり、ステージ2と診断された。その後食事療法や民間療法などを取り入れていたが、昨年末から体調が悪化したためがん研有明病院に転院。現在では抗がん剤と漢方という、西洋医学と東洋医学を組み合わせた治療をメインに、様々な治療を積極的に取り入れているという。  

 自身の体調については「私、元気なんです。体力もあるし、耐久力もあります。生来楽天的なのか、がんと言われてもガックリ来たことが全くないんです。現在もがん細胞はたくさんあります。治るかもしれないし、治らないかもしれない。治らなければ共存すればいいかな、って」と、終始にこやかに語った。

 演奏活動の再開にあたっては、会場で昔からのファンから励ましの言葉を受けるのがなにより嬉しいという。「年齢のこともあるので、このコンサートが一期一会になると思うこともあります。ベストを尽くして、自分の1番良い演奏をお聴かせしたい」と抱負を語り、「若い時は年間100回くらいのコンサートをしていましたが、入院後は月に4回くらいになり、楽しみながらコンサートの準備をするということができるようになりました」と、ますます演奏会に対しての充実したエネルギーが感じられる様子を見せた。  

 主治医からは「できるだけピアノを弾いて普通の生活をして欲しい、それが同じ病気で悩んでいる方達の励みになる」と言われているという。中村は「演奏家にとって何よりも肝心なのは毎日の練習です。これをいかに治療とやり繰りするか」と、演奏家としての日常を垣間見せた。