大阪府警富田林署の面会室から、樋田淳也容疑者(30)が逃走して1週間が経過した。
面会室を遮る、アクリル板を外して外に出て逃走した樋田容疑者。
途中、赤い自転車、黒いミニバイクを盗み、ひったくり事件を複数、起こしながら逃走中とみられる。
前代未聞の不祥事に大阪府警は、3000人体制で樋田容疑者の行方を追いかけている。
樋田容疑者は8月12日、弁護士と面会が終わった後、しばらく面会室で一人っきりになり、そのスキをついて逃走した。弁護士には「面会が終わったことを、自分から警察に伝えます」という趣旨の話をしていた。だが、実際には伝えず、逃走。
富田林署が気付くまで2時間近くかかったというお粗末さだった。
大阪府警が本部長名で謝罪したのは、同15日と逃走から3日も経過していたこともあり、府民の不信感は増幅している。
大阪府警は、樋田容疑者の顔写真だけでなく、歩く姿の動画、似顔絵、ウサギに小判をあしらった刺青まで、公開して情報提供を求めている。
「樋田容疑者は、窃盗容疑などでも逮捕されて富田林署に留置されていた。
逃走後、黒いミニバイクでひったくり事件が大阪市生野区など複数で起きている。
その手口は、手袋をして指紋の残さないなど、これまでの樋田容疑者とそっくりだ。その犯人が樋田容疑者であるなら、現金で4万円近くを手に入れたことになる。それが逃走資金になっているとされる」(捜査関係者)
樋田容疑者は、逃走した富田林署の富田林市だけでなく赤い自転車は隣の羽曳野市で発見。
黒いミニバイクを盗んだのは、実家近くの松原市、ひったくりは大阪市内と広範囲を自由に動いているとみられる。
樋田容疑者、大阪府松原市の出身。小学校、中学校の同級生はこう話す。
「昔は活発なヤツで、よく魚釣りしたり、虫取りに行ったりした。高校時代から、おかしくなって、悪い仲間と付き合いはじめ、実家近くをパトカーで追いかけられたり、事件を起こすようになった。その後、警察のお世話になるようなことがあったそうで、親が『どうしてこんなことに…』と嘆いていた」
樋田容疑者は複数回、警察のやっかいになった過去があるようだ。