どんなニュースにコメントするかだけで政治的な思想でグループ分けされてしまうネット言論に、お笑い芸人のカンニング竹山さんは違和感を持つという。
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みなさん、僕のこと反安倍政権派の左翼だと思っていませんか? そう思っている人って多いんですが、一方で左翼側の人は僕を「安倍のケツなめ人間」だと思っているんですよ。僕自身はそんなこと宣言したこともないし、これは正しいと思う、間違っていると思うって竹山個人の考えを言っているだけだから、こっちは右も左も無い。でも、物事に対して意見を一つ言ったことによって思想的な立ち位置を決められがちで、特にネット上では右とか左とかの人たちが自分の立場から意見を主張してくるんです。
僕がどのネタについて発言するかだけで決まっちゃうからネット上の思想判断なんて、簡単なんだなと思いますよね。最近、国会で強行採決が多いから「おかしいでしょ、何回目よ?」って言ったら、僕は「反安倍派」になるんですよ。カジノとか心の底からいらないと思っているんだけど、例えば「カジノ楽しみだね」ってツイートしたとしたら、僕は「安倍のケツなめ人間」になるでしょうね。意見が偏りすぎだし、どっちかに決めなきゃいけないことでもないでしょ。
沖縄の米軍基地問題もそう。こないだ地元の人と話していたときに「基地問題をすぐ本土の人は思想問題にするけど、そうじゃない」っていう意見をいっぱい聞きました。それって生活の問題だったりするわけですよ。
こないだ自民党の杉田水脈議員がLGBTなどの性的少数者に「生産性がない」という持論で批判を浴びましたよね。あの寄稿は「新潮45」に掲載されたときに全部読んでいましたが、そのときからおかしいと思っていたんです。僕ら夫婦には子どもがいないから、結構な税金を払っていてもあの議員に言わせると「生産性がない」ってことになるってツイートしたんです。