滝藤賢一と広瀬アリス (c)朝日新聞社
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■「無名塾」10年間の“底力”でブレイク

 俳優の滝藤賢一(41)と広瀬アリス(23)がW主演を務めるドラマ「探偵が早すぎる」(日本テレビ系)が19日からスタートした。SNSなどでは、劇中でのふたりの演技が「振り切れすぎ!」と早くも話題となっている。本作は井上真偽氏の小説が原作。父親の遺産5兆円を突如相続することになり、親族から命を狙われてしまう女子大生・十川一華(広瀬)を、探偵・千曲川光(滝藤)が守るというコメディ・ミステリーだ。

 広瀬が「想像している以上に皆さんが本当にハジけているんですよ」と語るほどコメディ要素が強いこちらの作品。アクの強い千曲川とリアクション大きめな一華のコンビに「ハマる」「素晴らしい演技力」などの声がツイッターにはあがっている。

 滝藤といえば、今や存在感のある演技で引っ張りだこの人気俳優。昨年は10本以上のドラマで活躍。今年もNHK連続テレビ小説「半分、青い。」でヒロイン・永野芽郁(18)の父親役を好演。そして「探偵~」への出演とその勢いが止まらない。もともと1000人に数人しか受からないといわれる仲代達矢(85)が主宰する「無名塾」出身で、“劇団の東大”ともいわれるほど狭き門をくぐったエリートだが、30歳すぎまでアルバイトをしたり、仕送りをもらったりしていたというから驚きだ。

「無名塾時代は、朝5時に稽古場に行き、10キロ走って、自主稽古をするといったスケジュールを週6でこなしていたそうです。その後、映画『クライマーズ・ハイ』(2008年)で精神を病んでいく新聞記者役を熱演し、注目を浴びました。先日『あさイチ』(NHK)に出演した時、本人が使用していた台本が紹介されたのですが、赤ペンでびっしりとメモが書き込まれていたんです。実際に事故の現場にいた人に話を聞きに行ったりもしたそうです。芝居に対する真摯さと真面目な性格がうかがえますよね。真面目といえば、無名塾には『恋愛禁止』というルールがあり、高校生から付き合っていた彼女と別れてから入ったそうなんです。ところが実際に入塾すると、周りにはみんな恋人がいたと出演したトーク番組で明かしていました」(テレビ情報誌の編集者)

 芸能リポーターの川内天子氏は、滝藤の役者としての「引き出しの多さ」を評価する。

「私はドラマ『半沢直樹』(TBS系)で見せた、目を見開いて鬼気迫る演技が忘れられませんね。『無名塾』の役者はみな、四六時中、演技のことしか頭になく、演じることに生きがいを感じる“役者バカ”しかいないんです。そこに10年間も在籍したんですから、役者としてのストックがすごく豊富なはず。役者は役を与えられると花開くので、売れっ子になった今、水を得た魚のような状態でしょう。仕事が楽しくて仕方がないという感じが、演技からも伝わってきます。名バイプレイヤーとしてドラマや映画界で欠かせぬ存在になりつつありますが、今後も主役クラスから『この人とやりたい』とどんどんオファーは増えていくでしょう」

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