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安室奈美恵の引退まであと2カ月を切った。山口百恵もキャンディーズも、一世を風靡した人物が人気を博している中でサッと引退していく心理とは何なのか。カンニング竹山さんが芸能界の引退についついて考えた。
【写真】30歳の安室が語っていた「どん底」と「カッコイイ安室奈美恵」
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芸能界ってすごく特殊な商売で、本人が稼働すれば運営されていく。それを自ら畳むというのは、生き様の問題だと思うんです。人気絶頂で辞めるっていう生き方が好きな人もいるし、死ぬまでやりたいって人もいる。評価もいろいろあるけど、でも自分で幕を引くっていうのは自分の生き方から決めることですから。お笑いでいうと、2000年に上岡龍太郎師匠が58歳のときにサッと引退しました。あれだけ弁も立つのにと僕なんかは思いますが、それだって生き方の問題です。
安室ちゃんを支持している人は何十年も熱狂的なファンだから、引退は辛いことだったりするだろうけど、好きな人が決めたことだから反対することもできないですよね。
若いときからずっとトップを走ってきているし、身体が徐々に動かなくなるというのもあるだろうし、自分の理想の姿じゃないのを見せるのがもしかしたら嫌なのかもしれないし、ゆっくり休みたいのかもしれないですよね。
結婚して引退した山口百恵さんもそう。あれから一切出てこないのだって、おそらく本人の考え方であってポリシーのようなものなんだろうと思います。引退の潔さとか自分の人生に無いものを見て、ファンとか支持する人は「私もそうなりたいな」とか「かっこいい」「勇気づけられた」と思うわけです。
タレント本人は何もその人のことを勇気づけるつもりはなくても、受け止め方がそうなっていく。それだけ注目を浴びる存在で、影響力のある仕事をしているということじゃないですか。人の心を揺れ動かす仕事って、だからこそ難しところもあるんでしょうね。
ミュージシャンと芸人はそういう意味ではまた違うかもしれないですよね。歌の人は、より直接的に心を揺り動かす仕事だと思います。リズムがあるから心に響くんですよね。