現在、最も忙しい俳優と形容されることもある菅田だが、仕事が途切れない理由としてよく言われるのが人間性の部分。

「共演者、スタッフ、取材陣、誰に対しても対応が変わらず親切。それを繰り返していたら、そりゃ『また菅田君と仕事をしたい』となりますし、それが続くということはどんどんオファーがくるということ」(スポーツ紙記者)

 気遣いの原点となっているのが「弟たちとの関係性」と菅生氏は話す。菅生家では3兄弟全員を好身さんが自宅で自然分娩(ぶんべん)で出産しており、長男である菅田は次男、三男が生まれてくるところを一部始終見ていたという。どうやって弟たちがこの世に生を受けたのか。そして、親がどんな思いで子どもを産んだのか。それを実際に見ることで、相手に対する慈しみが生まれ「兄弟げんかをしているところを見たことがない」(菅生氏)という関係性ができていった。

 かつて好身さんに自身の子育てについて尋ねたことがあったが、実に穏やかな表情で明かしたエピソードが実に印象的だった。

「手前味噌ながら『うまく育ってくれているのかな…』と思ったのは、長男が中学1年の時でした。夜、そっと子ども部屋を覗きに行くと、学校のテスト期間中だったんですけど、長男が右手に教科書を持って覚えながら、左手で三男の背中を撫でて寝かしつけていたんです。やさしい子に育ってくれているなと」

 さらに、好身さんいわく「今もまだ子育ての最中」。実家に菅田が戻ってくるたびに心がけていることもある。

「社会人となれば、当然、外では気も使うし、頭も下げる。こんなこと私が言うとダメなのかもしれませんけど、たぶん、そこはできているから、長男はお仕事がいただけているんだと思います。あと私が教えるべきことは、甘えも油断もたっぷりとある家族や本当に近い人にどこまで外と同じようにできるか。そこだと思っています。根本の命をもらっている親とか、おじいちゃん、おばあちゃん。どうしても薄れがちな身内への感謝を押し付けではなく認識させる。それがまた外での振る舞いにも響いてくると思いますし。そこを言い続けるのが母である私の役目だと思っています」

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