昔、僕らが夢中で見た「お笑いウルトラクイズ」とかはもう成り立たないんだろうなと思います。人間ロケットでパンツ一丁で飛ばされるとか、当時はゲラゲラ笑っていたけど、いまは可愛そうだとか、何であんなことするんだと言われるわけです。

 それは、学校でいまいじめは徹底的にアウトな行為として教育されているからだと思うんですよね。だからこそ、テレビで見て「そういうことはダメだ」と言う若い子が増えたのは、ある意味でいいことなのかなとも思うんです。でも、それによってバラエティはどんどん首がしまっちゃってるな……とも思う。

 最近のことでいうと、「櫻井・有吉THE夜会」で櫻井翔くんの休みという企画がありました。櫻井くんが休日に「キャンプやりたい」と言って、夜会の準メンバーが集まってバーベキューをやるわけです。そこで長嶋一茂さんと僕にダメ出しされた櫻井くんが、最後に「こんなのやだー」って言って終わるロケでした。

 お笑い的には成立しているんだけど、放送後にツイッターでファンの子から苦情が出るんですよね。せっかくの休みを何てことをしてるんだとか、櫻井くんはバーベキューリーダーになりたかったのに可哀想とか、竹山が偉そうにとか。その批判をいくつか見ていたときに、これは難しいというより、危険な時代になってきたなと思ったんですよ。

 疑いを持たずに純粋にテレビを見てもらうのは、我々テレビ屋からするとありがたいんだけど、そのまま大人になると危険だとも思う。ものを見る目とか判断力が弱くなっているんじゃないかと思うんですよね。

 まずね、本当の休みならカメラなんか入れねーよ!(笑)。みんなギリギリのスケジュール調整をして集まったメンバーで、もちろん仕事をしに来ているわけですよね。番組では一般の人たちがいる場所でバーベキューしてましたが、普通に考えたら、芸能人がオフで集まるときに一般人がいるところは選ばないですよね。貸し切りになっている場合もあるわけです。そういう裏事情はこちらから主張するわけにもいかないし、真実かどうかは言う必要もないでしょ。それも含めてエンターテインメントなんです。

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