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小中高を通してゆとり教育を受けた「究極のゆとり世代」――。この春、新社会人になった「1995年生まれ」はこう評される。上下関係や礼儀など、コミュニケーション能力が重要だとされる芸能界でゆとり教育の影響は出ているのか。お笑い芸人のカンニング竹山さんは、バラエティー番組に過度な苦情を寄せる視聴者の変化に「危険」も感じているという。
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「最近の新人は」とか「ゆとり教育が」とか言われていますけど、ゆとり教育を受けていてもできるやつはできるし、僕らの世代でもダメなやつはダメ。根本的には変わらないと僕は思うんですよね。
ただ昔はゼロだったのに、最近1人、2人と出てきているのは、先輩とか上司に楯突いたり文句を言ったりする子。しかもそれをSNSに書いちゃう……。例えば、ネタ見せでダメ出しされた、俺はそんなつもりで作ったつもりじゃないとか、「それ書く!?」って思うことはあります。ブログもSNSも、言ったらショーじゃないですか。そういうものに本音を書くもんじゃないと僕は思っているけど、それを本当の日記のように、自分の気持ちを叩きつけるように書いちゃうからややこしくなっちゃう。ダメなのよ、見られちゃ。
あとは「一生懸命頑張ってるのに」って言う子も多いですよね。「なんで認めてもらえないんですか!?」って言われても、実績を残してないからだよ。普通の企業でも、売上を伸ばしていないと認めてもらえないでしょ。
怒られたときの反応とか怒るときにどう言うべきかは変わってきたと思いますね。上からガツンと怒ると、逃げちゃったりすねちゃうやつが出てくるから。それは学校生活や部活動の時代からガミガミ怒られるような経験はあまり積んできていないんだろうなと思いますね。「てめえ、このやろー」とか言うだけで、いまは怒る方が逆に怒られる時代だからね。気を使うようにはなりましたね。
我々は発信する方だけど、それを受ける視聴者も変わったなと思うことがあります。笑いとして成立していても、少しでもいじめに見えるシチュエーションがあると批判されますよね。例えば、旅番組で1人だけお金を払わされるとか、そういうことには「いじめじゃないか」とか、「可哀想じゃないか」とか意見が来ます。その裏ではお金を払わされた人をケアしたり、優しさもちゃんとあるんだけどそこは視聴者から見えないからね。