アロペシア発症後に母から贈られた言葉を現在も大切にしていると、ジョアンナ・ロウセルさんは話す。



「脱毛は自分でコントロールできるものではない。だから、コントロールできることを頑張ろう」

 彼女にとってウィッグとは、コントロールできない「髪の毛」を自分でコントロールするための大切なもの。10代のころから着用している。アデランスのグループ会社であるアデランスUKとの出合いは、ロンドン五輪のセレモニーで着用するウィッグを探しているときだった。一目で気に入り、着用後に鏡を見るとそこには「想像どおりの自分がいた」という。その後、顧客として同社のウィッグを使っていたが、15年の結婚式で着用するためのウィッグをアデランスUKが提供したいという申し入れがあった。

 アデランスUKは、医療用ウィッグを数多く手掛けていることもあり、アルペシアや抗がん治療による脱毛などの患者をサポートするCSR活動を積極的に展開している。彼女は現役引退後、後進の指導や英BBCのスポーツコメンテーター務める一方、アデランスUKのアンバサダーとして、講演などの活動を行っている。

病気だからといって我慢することはない。自分に自信をもって前向きに生きてもらいたい」と同じ病気で悩む人たちへメッセージを送った。(文/原子禅)