○漢方薬


 血液を活性化させて巡りをよくする「活血化お(かっけつかお)」の生薬には、当帰(とうき) 、丹参(たんじん)、川きゅう(せんきゅう)、紅花(こうか)などがあります。血液を補いつつ気も補うには、人参、黄耆(おうぎ) 、白朮(びゃくじゅつ)などを使います。漢方薬はいくつかの生薬を配合したもので、体質によって合う薬は異なります。漢方に詳しい医師や薬剤師、登録販売者に選んでもらいましょう。

○食事
 糖質(炭水化物)とたんぱく質と脂質は5:3:2が理想。ご飯やパンなどの糖質は全体の半量に抑えましょう。いずれの栄養素も取りすぎの人は抑えるべきですが、必要量が不足すると血液の質が悪くなります。「低糖質」というはやりに乗っかるのではなく、自分の状況を見極めて調整しましょう。不足しがちな血や気を養うには、豆腐などの大豆製品、豚肉、鶏肉、はちみつ(できればローヤルゼリー)、ナツメなどを。山芋や里芋などのイモ類、キノコ類は、気を補ってくれます。気の巡りをよくするには、三つ葉やセロリ、玉ねぎなどの香りの強い野菜を生で取ってください。芳香性も利用します。血と血管の質を整えるには、黒きくらげや黒豆、小豆、なす、わかめやヒジキなどの海藻類、イワシやサバなどの青魚を取るといいでしょう。ニラやネギ、生姜、羊肉は、からだを温めて血行を促進します。

○運動
 血と気の巡りを改善するためにウォーキングなどの有酸素運動を習慣にして、適度にからだを動かしましょう。運動を始めると面白くなって、ハードなスポーツに挑戦するなどどんどん運動量を増やす人もいますが、やりすぎには要注意。血管が広がりっぱなしになって過度な負担がかかり、エネルギーも消耗します。

陳志清/中医学講師。薬学博士。イスクラ産業代表取締役副社長。1984年、南京中医薬大学卒業。87年、陝西中医薬大学大学院修了。93年、来日。2002年、広島大学大学院で薬学博士号取得。日本中医薬研究会専任講師。日本不妊カウンセリング学会評議員。不妊カウンセラー

※週刊朝日ムック『気と血のめぐり 本格漢方2018』から