「パソコンも古くて、よくフリーズしてトラブルになっていました。よくこんな会社が年金記録の入力という大事な仕事を受注できたなと思っていました。社長は『この数はとても無理』と観念した感じになっていました。それで、中国に再委託したのだと思います。でも、中国に委託した入力作業はほとんどミスがなかったんです。名前だけだったということもありますが、すごく正確で、間違いは日本でやったものばかりでした」
SAY企画は、2003年に設立。官公庁からの委託事業が主な業務となっている。東京商工リサーチ情報部の後藤賢治氏は言う。
「SAY企画の2017年度の利益は259万円で、16年度も139万円しかありません。売り上げがあっても、利益が伸び悩んでいました。その結果、人材登用ができず、パソコンなどの設備投資も難しかったのではないか」
ずさんな仕事の実態を見抜けなかったのは、年金機構にも責任がある。すべてが明らかになる日は来るのか。
SAY企画に取材を申し込んだところ、期限までに回答はなかった。(AERA dot.編集部取材班、西岡千史)