1993年、第8回ロックンロール・ホール・オブ・フェイムのメニュー
1993年、第8回ロックンロール・ホール・オブ・フェイムのメニュー
この記事の写真をすべて見る

 エリック・クラプトンのドキュメンタリー映画『LIFE IN 12 BARS』の公開が近づいている。ライブ活動も再開し、伝説のギタリストの動きに注目が集まっている。音楽ライターの大友博さんが語る。

* * *
 エリック・クラプトンが自らコンセプトを固め、あの『RUSH』を手がけた女性映像作家リリ・フィニ・ザナックに監督を依頼した注目のドキュメンタリー作品『LIFE IN 12 BARS』の公開が目前に迫ってきた。

 12小節とは、いうまでもなく、彼の人生のメイン・テーマでありつづけてきたブルースのこと。一昨年、2016年4月の来日公演のあと、健康面での不安が伝えられたものの、その後はロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルスなどでステージに立ち、「無理はせず、しかし、やりたいことは可能なかぎり」という意思を示してきたクラプトンは、まだまだこれからもブルースをキーワードになにかを表現し、伝える活動をつづけていこうとしているようだ。年明け早々の1月8日、ロンドン郊外ギルドフォードで行なわれたベネフィット・コンサートに参加、というニュースも伝わってきている。

 1960年代からの音楽仲間ポール・ジョーンズの呼びかけで実現したこのコンサートは、医療関連機関のサポートを目的としたもの。クラプトンはその第一部の最後に登場し、J.J.ケイルの「サムバティーズ・ノッキン」、ロバート・ジョンソンの「リトル・クイーン・オブ・スペイズ」、ボ・ディドリーの「ビフォア・ユー・アキューズ・ミー」と、3曲を演奏した。

 オーディエンスが撮影したものと思われる映像がさっそくYouTubeにアップされているが、ハウスバンドのギタリストにもソロを任せつつも、要所はきっちりと締めた、余裕すら感じさせるライヴだった。現時点でわかっているものとしては、7月に、ドイツのケルンとハンバルグ、さらにはロンドンのハイドパークでのコンサートも決まっているようだ。

次のページ