東京だと立派な人って、年収とか肩書とか学歴とかで判断するけど、西だと「面白い」ことがすっごい上にくる。私は西の人間なので、面白ければいい、怒らないを優先にしました。だから子どもはものすごい勉強できない……。でもニコニコ笑って、いい子になりましたから、それでいいかなって。

■家事も仕事もキリがない 考えない癖を

――西原さんを見ていると、気持ちの切り替えってテクニックなんだと感じます。

 若いときは、本当に回りを気にして、怖くて怖くて仕方なかったんです。嫌なところばかりしか見ていなかった。私は漫画家なんで、色んなことをずっと考えているんですが、気付いたら頭の中は不安でいっぱい。でも考えても良いことは何も無かったから、ある時から考えない癖をつけるようにしました。大好きな人の名前でもいいし、子どもの名前でもいいし、好きなことをそれこそ念仏みたいにずーっとブツブツ唱えて、頭の中の不安を吹っ飛ばす。

 自分がうつ病になったとき、外に出て散歩して、うちでは音楽をずっと流してました。家の中で1人で考えていても、特に夜はろくなことがない。夜のネットサーフィンの恐ろしいこと、絶対やっちゃダメです。

 掃除も仕事もやったらキリがない。ビールとお惣菜を買って、睡眠薬を使ってもいいから、とにかく悩む前に寝る。子どもが寝てるときは自分も寝る。

 お母さんたち、2018年はいかに子どもと楽しく過ごすかを大事にしませんか? 立派な人間とか、いい成績じゃなくて、笑って過ごすことを最優先にしませんか? 月曜の朝から怒鳴って起こすぐらいなら、学校を遅刻させちゃえばいいじゃん。

 とにかく、引き算ですよ!

(聞き手/AERA dot.編集部・金城珠代)