■「心配汁」と恐怖と疲労がやってくる

 だから、あと数年。その間は優先順位を3番までと決めてください。自分と子どもと、仕事。あとは諦めて、さっさと捨てる。近所のババアとか100万位ぐらい下のものを、絶対に優先しちゃいけない。

 私もそうだったし、まわりのお母さんたちも、PTAとか地域のことが原因で倒れちゃうのは寝不足で優先順位が付けられなくなっているせい。赤ちゃん産んでから夜泣きもあって、お母さんたちは壮絶な寝不足なんです。それでも仕事をしてると意識がもうろうとして……。寝不足の頭に「子どものためです」って言われると、朝6時からゴミ拾いに行ったり、誰もいないとこで見守りのためにつっ立ってたり。結局そのせいで親がイライラして、怒られる子どもが1番可哀想。

――まずは睡眠ということですね。

 子どもがいるうちは心配が病気みたいなもの。母親にはそういう不思議な汁が出るみたい、心配汁がね。それがさまざまな恐怖をまとって、疲労と一緒にやってくる。とにかく小学校までのお母さんは、いろんな判断力が鈍ってるんです。だからあちこちでお母さんが倒れてるのをたくさん見ました。

 腹が立ったり、煮詰まったりしたら、スーパーで半額のお惣菜を買ってきて子どもと食べて、ビール飲んで寝ましょう。掃除も洗濯も絶対にしちゃダメですね。布団を敷くとか上げるとか、洗うとか干すとかやめて、捨てましょうね。安いマットでいいんですよ。とにかく、人間は寝ないとろくなことがないから。睡眠とお惣菜を確保してください。

 子どもが小学校高学年になるころには手が空きますから。中学を卒業して高校生になったら、反抗期が始まって、今度は向こうから逃げていくという悲しい現実が。16歳ぐらいになったらあっという間にどっか行っちゃうんだよ。もう、理不尽ーーー! 本当にあっという間なんだから。

――去年の流行語対象には「ワンオペ育児」という言葉もノミネートされたほど。家事や育児がまだまだ女性に集中しがちで、働く母たちはヘトヘトですね。

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こんなに食を神聖視してる国はない