一つの本音としては「年賀状なんかやめちまえよ」っていう思いがあるんですけど、もうひとつの本音としては「ちゃんとやれる大人にならなきゃなー」って思う。僕は字が汚いから、おとなになるとすごい恥ずかしいんですよ。字がキレイだったら、見せびらかしはしないけど、少しは筆まめになっていただろうし、書きたいという気持ちになったんじゃないかと。
だから結局は、大人になってから学校の勉強で何が1番必要だったかっていうと書道だったんじゃないかと思うんです。あのとききちっと字をうまく書くってことができていたら、筆無精にもならなかったんじゃないかと。書かない原因のひとつは、字が下手だからなんですよね。みなさん、子どもにスイミングを習わせたいとか何だかんだ言うけど、大人になって役立つのは書道ですよ!
あとね、恒例のお歳暮の文化も芸能人にはほとんどありません。プロダクションとかメディアの人たちはやっているかもしれないけど、本人同士は住所もほとんど知らない。ただ、芸能界特有の文化はほかにあるんです。
例えば、ドラマの撮影のときの差し入れ。主役の役者さんは座長で、その組をうまく回すことに本人も事務所も気を使います。だから、人によってはスタジオにシェフを連れてきたり、屋台を開いたり、駄菓子屋さんを作ったり、みんなが喜びそうな差し入れを考えます。それより目立ってしまうと気を使わせてしまうことになるので、自分がそのドラマで何番手かによって、差し入れするものや回数は考えてやっていますね。
ほかにも、自分が初めてその撮影に参加させてもらう日に持っていく「撮入(さつにゅう)祝い」というのもあります。人によりますが、現金とかビール1ケースとか、お酒とか。お付き合いのある人が出る舞台を見に行くときにも、手土産とか1万~2万円ぐらいのお金をお祝いとして渡すことも多いですね。お歳暮やお中元という一般の社会の礼儀以外の、知らなきゃいけない慣習があると考えたほうがいいかもしれません。