芸能人の結婚式に出席するときも、お祝儀は3万円ってわけにはいかないですね。相場は10万円ぐらいからだと思いますが、仲が良い人だったらもっともっと包む人もいるだろうし。その辺の常識は、普通の感覚とは違うかもしれません。
お正月といえば、特に芸人には、お年玉制度もあります。全員が必ずやるものではありませんが、先輩が後輩にお年玉を渡すんです。後輩がたくさんいらっしゃる大師匠にもなると、正月はお金が入ったポチ袋をどわ~っと持ってますから。1人にいくら渡すかは人それぞれですが、そういう方はお年玉だけで200万円ぐらいは配っていると思います。元旦の生放送のお笑い番組とかで大師匠が出られていたら、たぶん裏で配っていますよ。芸人がたくさん集まる場なので、きっとたくさん。
僕は最近、正月は休みを取っているので現場にはいませんが、年明けに新年会とかで仲のいい後輩たちと集まったらそこで渡しますね。そんなに数多くは配らないけど、一律1万円にしているので、そこそこ金はかかりますよ。年末年始も働いていたときは、三が日に仕事で会った後輩たちには渡していましたし、僕も先輩たちからいただくんです。「はい、お年玉」って。
この慣習はたぶん、落語の寄せから始まったことだと思うんですよ。正月興行で芸人たちが集まって、一杯飲みながら舞台に上がるっていう歴史もあるじゃないですか。そういうときに師匠が後輩たちに渡したっていうことだと思います。お笑い芸人だと、正月にテレビとかライブで集まっているから、売れてない先輩でも自分の後輩に「お年玉」と言って、千円とか2千円とか軽く小遣いをあげたり、後輩も「先輩、お年玉くださいよ~」ってノリでせがむ。これは気持ちなんですよね。粋な文化だなと思います。