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 世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩くジャーナリスト・丸山ゴンザレス。取材やインタビューの基本は英語である。それもフィリピンで習得したアジアン・イングリッシュ。ブロークンであるがゆえに、恐ろしくも奇妙で日常生活ではまず使うこともないようなやりとりも生まれてしまう。そんな危険地帯で現地の人々と交わした“ありえない英会話”を紹介する本連載。今回は、新年に気をつけなければいけない危険地帯のルールである。いったいどんなものなのか。

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 新年を迎える時期、日本全体は厳かな空気感であることが多く、静かな気持ちで日々を送る人が多いのではないだろうか。ただし、そのあたりは国民性や文化によって違いが出てくることもある。特に新年の前段階となる12月の過ごし方が違う国も多いだろう。私が取材したなかでは、フィリピンの12月と新年で面白い違いを感じることがあった。

 まず、12月にフィリピンに行って、タクシーに乗ろうとする観光客は妙な注意喚起がなされることがある。

「Lock the car door!(ドアをロックしてください)」

 運転手から直接注意されることはあまりないが、現地在住の人とかにはよく言われる。これは、とくに12月に多い。なぜ、この時期なのだろうか。その背景について、私とタクシー運転手との会話から見てもらいたい。

「Why should I lock the car door?」(なぜ、ロックするの?)

「Robbers come into the car sometimes.」(強盗が入ってくるから)

「Is it safe to lock the car door?」(ロックすると安全?)

「I think it is safe. But you should care during December.」(そう思う。ただ、12月は注意して)

「Why?」(どうして?)

「Xmas.」(それは、クリスマスがあるからだよ)

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