山田邦子 (c)朝日新聞社
山田邦子 (c)朝日新聞社

 女性お笑い芸人のトップを決める「女芸人No.1決定戦 THE W」(日本テレビ系)への出場を突如キャンセルし、物議をかもしてしまった山田邦子(57)。出場辞退の発表翌日、自身のブログで出場辞退の顛末を報告したが、その内容に対しても「(ノーギャラへの文句に対して)結局カネか!」「大御所気取りだけどだれ?」などと非難が殺到した。一部SNSユーザーからは、過去の冠番組をひっかけて「やまだかつての人」と揶揄する声もあった。

「山田邦子といえば、80年代のデビュー以降、ずっと圧倒的な人気を誇っていました。彼女が所属する太田プロは当時、月給を現金で渡していたそうですが、彼女のギャラは月で1000万円をゆうに超えており、給料袋に入らず紙袋で支給されていたという逸話もあるほどです。しかし、90年代に入ると視聴者に飽きられたのと、世代交替も進んで徐々に出演番組が減っていきました。その頃、業界関係者との不倫熱愛が発覚し、芸能レポーターの井上公造さんに向かって『お前モテないだろ!』と上から目線で暴言を吐いてしまったんです。当時、芸能レポーターは影の存在でいわばテレビカメラの向こう側にいる存在。視聴者に向かって語りかけたような印象を持たれた。この騒動で一気に人気が落ちてしまったんです」(週刊誌の芸能担当記者)

 こうして、すっかりテレビの露出が減少してしまった山田邦子だが、今のテレビ業界には彼女の隆盛を全く知らないスタッフも多いという。一方、かつての活躍を知る30代以上の業界スタッフも「微妙な大物感もあって正直、使いづらい」(民放バラエティー番組スタッフ)という。

 00年代以降、ゲストとしてのテレビ出演を続いていた山田だが、2007年に『最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学 スペシャル』(ABCテレビ)でがんが発覚し、闘病生活に入った。2度の手術を経てがんを摘出し、これをきっかけに「がんに関する普及啓発懇談会」委員を務めるなど、厚生労働省やピンクリボンを通じた講演活動が徐々に増えていった。

 実はこれが転機になったのだ。

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