女友達の支えも大きかったです。本当にダメージを受けていたとき、弱っている私を助けてくれたのは、女友達でした。彼女たちのお陰でまた人生が豊かになった。これには感謝ですね。
病気をして、命はバトンリレーだということも痛感しました。それは親から子へとつなぐ血縁のリレーという意味だけでなく、今までの乳がん患者の方々の治療やデータが、今の私たちの治療につながっている。そして私の症例がどなたかの役に立って命をつなぐこともあるかもしれないという、その意味でのリレーでもあります。ですから、自分が知っている人間、近しい人間との関わりだけではなく、広い世の中との関わりにも目が開かれるようになりました。私の病気への向かい方はお手本にはならないけれども、一つの症例としてお役に立つかもしれない。ならばできるだけ自分の闘病体験も明かしていこうと思っています。
みなみ・かほ/1964年生まれ。84年に映画「伽倻子のために」の主役でデビュー。映画、テレビ、舞台などで活躍。2015年には映画「マスタレス」で全米デビュー。最近ではドラマ「定年女子」で主演。待機作に映画「Oh Lucy! 」(2018年公開予定)
(文/志賀佳織)
※「ゆとりら秋冬号」から一部抜粋