
2年前に日本に帰ってきてからも、片づけられませんでした。3人の子育てをしながら、収納を一から考えるのはとても大変なこと。家の中に床置きのモノが増え、雑然としている様子を見ては、いつもイライラしていました。
夫は家が散らかっていても文句は言わなかったけれど、「部屋をきれいにしたい」という思いは夫婦共通でした。
そんなときに「家庭力アッププロジェクト®」の存在を知り、家と自分が変わるきっかけになればと参加を決意します。
「自分がすごくモノをため込むタイプだというのがわかりました。『いつか使えるかも』と思うと、手放しづらい。海外に住んでいたときにゴミ問題の意識が高まったこともあり、ゴミとして捨てることも好きではなくて」
智子さんのクローゼットには、仕事をしていた頃に着ていたスーツや母親からもらった洋服などがギュウギュウに押し込まれていました。でも、今の生活に合っていないので出番はありません。捨てる代わりに、古布としてリサイクルに出したり、お店に売ったりして手放すことにしました。
今まで智子さんは“収納”が上手でした。でも、片づけはそれだけではありません。ほかにも、必要以上のモノを持たないこと、モノの定位置を決めること、出したら戻すこと。これらの組み合わせによって片づけが成立します。智子さんは引っ越しなどでこのバランスが崩れてしまい、片づけられなくなってしまったのでしょう。
夫と子どもたちも片づけには協力的でした。自分たちの動線を確認して、モノの定位置を決めるために話し合いを重ねたことも。
「夫からは『もっと手伝いたいけれど、どこに何があるかわからない』と言われ、ハッとしました。今までは私の独りよがりで片づけていたんだな、と反省しましたね」
プロジェクトが終了した今は、家族でモノの定位置を共有できているので、「片づけてね」と子どもたちに声をかけるとすぐに戻せるように。子どもの友だちが頻繁に遊びにくるようになって、そのたびに子どもたちは自ら片づけています。“どこに何をしまう”ということを伝える手間がないので、ストレスも軽減。