将来の中軸が期待できる早稲田実・清宮幸太郎 (c)朝日新聞社
将来の中軸が期待できる早稲田実・清宮幸太郎 (c)朝日新聞社
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 今年も運命のドラフト会議が迫ってきた。甲子園を熱狂させた“あの選手”は一体どのチームに行くのか、野球ファンは固唾を飲んで見守っている。そこで、ニュースサイト「AERAdot.」では、アマチュアを中心に年間300試合以上を現地で取材する、野球ライターの西尾典文氏に球団別のおすすめ選手を選んでもらった。今回は、今季パ・リーグ3位になった東北楽天ゴールデンイーグルスだ。

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 夏場以降の失速で優勝は逃したものの、4年ぶりのAクラス入りを果たした楽天。投手、野手とも今後が楽しみな若手選手が多く、チームに勢いを感じる。課題は長打が期待できる日本人選手が少ないこと。投手陣に比べるとスケールの大きい野手が不足している。また嶋基宏の後継者となる捕手も少し心もとない状況だ。投手では先発タイプのサウスポーが欲しいが、優先順位は野手の方が上になるだろう。

【おすすめ選手・その1】
清宮幸太郎:早稲田実 一塁手 184cm 101kg 右投左打

 冒頭でも触れたが、現在の打線は外国人依存度が高く、将来の中軸候補が見当たらない。過去のドラフトでも野手の1位指名はオコエ瑠偉だけであり、そろそろ打者の目玉選手を狙うべきだろう。第一候補はもちろん清宮である。ファーストと指名打者で起用されている選手の顔ぶれを見ても、ベテランと外国人であり、スムーズに世代交代できる土壌はできている。ソフトバンクに対抗するためにも、抽選を恐れずに1位指名してもらいたい。

【おすすめ選手・その2】
田中俊太:日立製作所 二塁手 178cm 80kg 右投左打

 ポジション別で見ると、最も即戦力が必要なのはセカンドだ。長年レギュラーとして君臨した藤田一也が成績を落としており、今年はシーズン途中でクルーズを補強したほどだった。兄の広輔(広島)とよく似たプレースタイルの田中は高いレベルで三拍子が揃い、社会人での実績も申し分ない。ショートからのコンバートではなく、高校時代から一貫してセカンドを守り続けているのも頼もしい。即戦力という意味では、今年の候補の中でも指折りの存在である。

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