プロ志望を表明する早実の清宮幸太郎選手(中央) (c)朝日新聞社
プロ志望を表明する早実の清宮幸太郎選手(中央) (c)朝日新聞社
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 高校通算本塁打111発の早実・清宮幸太郎がプロ志望届を提出した。

 晴れて10月26日に開催されるプロ野球・新人選手選択会議(ドラフト)での指名を待つ身となったが、プロ志望届を出したことで日米プロ球団との接触が可能になった。 きょう2日から日本野球機構(NPB)の希望球団と清宮の間で「事前面談」が始まった。

 これまでの報道によると、面談では清宮から指名拒否の旨が伝えられるとの情報が飛び交っているが、実際のところ、ドラフト指名前に行う面談にはどういった意味があるのだろうか。過去の事例から、ドラフト前の面談について振り返りたい。

 高校生のプロ志望届が制度化された2004年以降に大掛かりな面談を行ったケースで思い起こされるのは、09年当時に花巻東高・3年生だった菊池雄星(西武)だ。ドラフト前に米球界入りの可能性を探った逸材を巡って繰り広げられた「菊池騒動」は日米20球団が面談を行った。

 当時、菊池の獲得に熱心だったドジャース側が、自軍だけが花巻東高と面談をするのはフェアじゃないと進言したことから、 大リーグ(MLB)の希望球団すべてが面談することができたと言われている。それに追随する形で日本の球団も菊池との面談を希望し、NPB12球団とドジャースなど8球団が実施した。「日本で活躍してから」と菊池はMLB挑戦を断念したが、ドラフト前の面談がクローズアップされた事例だ。

 3年後には、菊池の高校の後輩にあたる大谷翔平日本ハム)が同じような形でMLBとNPB球団と面談。大谷は「厳しい環境に身を置きたい」と一時はMLB行きを表明していた。

 これらは大掛かりな形で行われた面談と言えるだろう。MLB挑戦か、国内かを探ったからそれだけの騒ぎになった。

 しかし実際のところ、公にならないレベルでドラフト候補と面談することはそう少なくない。

 プロ志望届を候補者が所属連盟に提出すると、プロ側は調査書を同校に届ける。その手段が球団によって異なり、郵送するケース、担当スカウトが持参するケースとあるが、後者の場合、スカウトが初めて選手と接触する機会となる。だが、選手と接触できるといっても雑談程度で、選手の本心までは見抜けないため、企業の面接のような意図で面談を行う。

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