こうした子どもの裏表のない清らかな優しさは、日頃の自分が周囲にどんな態度で接しているかを省みる機会をくれます。

 さらに、発想力(ゴミや道具を自分なりのおもちゃにして楽しめるところ)や、集中力(1時間くらいゾウさんのじょうろでひたすら水をすくっているところ)なんかもすごい。「あんなことを1時間も……、何が楽しいんだろう」なんて考えている自分に気づくと、「私も昔はそういう楽しみ方を知っていたはずなのに、知らない間に世間擦れしてしまった」と感じます。息子のフィルターからのぞく世界は、私に多くのことを学ばせ、思い出させ、成長させ、注意喚起してくれるのです。そのため、今は「叱る」よりも、お互い「注意しあう」という言い方がしっくりくるし、可能であれば、ずっとそういう関係になれたらいいなと思うのです。

 まあ、それはあくまで理想であって。息子がイタズラをやらかした後始末に疲れてくると、いつの間にか怒っていることが、結構あるんですけどもね……。