9月7日にツイッターでそうつぶやいて、賛否を巻き起こしたのは国際政治学者の三浦瑠麗さんだ。翌日にはこうもつぶやいている。
<女性政治家が潰れていくひとつの構図は、攻めに強くて引き上げられたはいいが、いざ守らなければならないところで弱さを露呈したところです>(一部抜粋)
ネット上では「民進党擁護」「女性だから見逃せは逆差別」という批判もある。ツイートの真意は何だったのか、本人に聞いた。
「山尾さんの行為を正当化するつもりはありませんし、以前から、同じ主張をしてきました。刑事罰の対象ではない不倫に興味がないだけです。ワイドショーも時間を費やしすぎだし、批判される人と報道さえされない人がいてダブルスタンダードだと思う。その問題提起です」
三浦さんが考える「たたかれる不倫」には二つの要素がある。一つは言行不一致。倫理主義やクリーンなイメージを打ち出していた人が不倫をした場合は大きな批判を受けやすい。イクメンをアピールしながら、妻の出産時期に不倫した宮崎謙介元議員や、それを当時非難しておきながら自分も不倫報道された山尾議員はこれに当たる。
「二つ目は、その不倫関係が婚姻を壊すかどうか。風俗通いが報じられた新藤義孝衆院議員のケースがそこまで大きな問題にならなかったのは、そのためです。そして特に女性の不倫が叩かれやすいのは、旧刑法の姦通罪で妻の不倫だけが婚姻を壊すと考えられていたことに通じます。男女が平等でなかった時代から戦後になって、法律は変わっても、価値観だけは変わっていないのです。
多くの政治家の妻が二号さんの存在に耐えてきたからこそ、男性の議員の愛人について、昔の世論はもっと寛容だったんです。いまも主要政党の多くの男性議員について、不倫、風俗、銀座通いが記者の間で知られており、時に報道されていますが、大問題には発展しません。しかし、不倫に限らず、女性議員は目立つのでスキャンダルのターゲットになりやすい。ダブルスタンダードなんですよ」